一般社団法人日本医療バランスト・スコアカード研究学会 理事長就任のご挨拶
令和4(2022)年6月27日に開催されました理事会におきまして、髙橋淑郎前理事長の後任として一般社団法人日本医療バランスト・スコアカード研究学会の第2代理事長を拝命いたしました。伝統ある当学会の運営に責任を持つことを大変光栄に存じております。重責を感じておりますが、この機会に紙面をお借りしまして理事長就任のご挨拶を述べさせていただきます。バランスト・スコアカードは、その汎用性が広いだけではなく、病院における有用性も広く知られるようになってきました。当学会は、これまでにキャプランとノートンが首尾一貫示している病院の戦略的経営や包括的業績評価という本質を重視し、これまでのスタンスを堅持しつつも、新たな研究および社会実装へのチャレンジに力点を置いた活動を心掛けていきたいと考えております。
おりしも、団塊の世代が後期高齢者に突入する2025年を目前に、次のターゲットイヤーとして団塊ジュニアが高齢者になる2040年が示されました。これからの医療業界が変化する中で、病院はどのようにあるべきでしょうか。地域における多方面の事業体との戦略的アライアンスや協働が求められ、その中には医療業界以外のプレーヤーが入る可能性も想定する必要があると考えております。
すなわち、今後の病院における戦略的経営・マネジメントを考えるうえで、地域を強く意識した考え方が必要であり、そのためにはバランスト・スコアカードを正しく理解し、適正に導入したうえで、十分に活用していくことが求められると思います。その成果について、各医療機関がバランスト・スコアカードを研究し、発表する場としても学会の果たす役割は大きいものであると考えております。
一方で、社会の変化に対応しつつ、①対面とオンラインのメリットを活かし、幅を持たせた学会活動の展開、②会員増加を軸とした学会の運営基盤の盤石化、③バランスト・スコアカードに関する広範な人材育成、④時代に即した研究の推進 を新たな柱としたいと考えております。これらの課題は、いずれも一朝一夕で成し遂げられるものではなく、役員の皆様、学会員の皆様と連携・協働しながら、より良い学会のあり方を追求し、取り組んでいきたいと考えております。
皆様のご支援とご協力を心よりお願い申し上げまして、就任のご挨拶に変えさせていただきます。